手巻きも自動巻も機械時計の動力はゼンマイです。
一般的には手巻きで30時間、自動巻で35~40時間のパワーリザーブです。
手巻きは、1日1回、巻き止まりまできっちり巻きます。
自動巻を毎日つける方はいいのですが、たまに使う方は最初だけ手でまくか、よく振ってゼンマイを巻いてください。
止まっている時計をいきなり腕につけても充分には巻かれません。運動量で変わりますが通常は8時間装着で24時間分チャージされます。バンパーや片巻きはもっと効率が悪いです。
ちなみに自動巻はフルに巻かれても腕の動きでどんどん巻かれますので、ゼンマイが切れるのを防止する為“ある程度のトルクでスリップ”するようになっています。毎日付けているのに、さらに手で巻いて常にスリップさせてるとゼンマイと香箱が磨耗して半分ほどの巻き上がりでもスリップしてしまう為、時計の止まりが早くなります。
だいぶ前ですが修理で入ってきた時計にすごいのがありました。
結婚時に奥様にプレゼントされたサブを手巻きだと思い15年間、毎朝巻いていたそうです。
最初の数年で止まりが早くなり、ますます一生懸命巻いたそうです。
そりゃーすごい事になっていましたよ!

画像はCal.3135でドライバーの先の金色の丸い部品が香箱(ゼンマイのケース)です。

開けるとこんな感じでゼンマイが入っています。油が劣化して黒い汚れになっています。
この状態はほどけている状態で巻かれると1番(センター軸)に巻きついて、ほどけるトルクを動力にします。

直径11ミリほどの香箱に長さ40センチ以上のゼンマイが入っています。
右側が香箱側ですが末端に厚いバネ材が付けてあり、この部分のテンションでスリップするトルクをコントロールしています。
50年代までは鉄ゼンマイが主流でしたが、現在は主にニバフレックス製です。
アンティークより現行品が切れやすいのはハイビート化が進んだからです。
ゼンマイはビート数が上がると切れやすい(折れやすい)傾向にあります。ハイビートの方が長くて強いからです。特にロレックスの3000番台は切れやすく完全な消耗品です。まあ電気の球と一緒でどのモデルもいつかは切れますから、そんときは交換ですな。

これはベルジョン製のゼンマイ巻きです。10年ほど前に珍しく新品で買った物です。確か¥80、000円!ほとんどの香箱に適合し正巻き、逆巻きにも対応!!
10年たってもこんなに綺麗!!
だって使ってませんもん!
手で巻いたほうが早いから!時計は本日入荷の40年代レコード ロイヤルアーミー 込み¥68,000円
BLUE MAO MAO
TEL 022-216-9666
〒980-0811
宮城県仙台市青葉区一番町2丁目3-30 いろは横丁内
OPEN 11:00~19:00
水・木曜日 定休